最終電車から、皆さんに最後の挨拶をしよう

僕はこれまで4曲学指揮をしてきましたが、実は結構、お客さん気分でいました。「お客さん気分」というと受け身でやってる、みたいな印象を受けますがそういうことではありません(そうじゃないのは皆さんの方がよく分かっていると思います)。楽器を持たずに皆さんの演奏を聴く立場でいられる、という意味での「お客さん」です。皆さんが上達していく過程を一番近くで見てきているのだから、誰よりも本番で感動できる、ある意味最も恵まれたお客さんなのではないでしょうか。表立って言ったことはありませんが、皆さんがいろいろ自分なりに考えて毎回のtuttiに臨んでいるのはとてもよく伝わっていました。だからこそ期待していろいろ厳しいことや分かりにくいこともたくさん言いましたが、それでもついて来てくれてありがとうございました。皆さんと一緒に「ここどうしよっか?」とか言ってる瞬間にとてもやり甲斐を感じる2年間でした。本番では今まで通り、演奏者として、そして「お客さん」として、皆さんと演奏する時間を噛み締めたいなと思います。

…というのが、学指揮引退の時に言おうと思っていたことでした。こんなこと喋っていたら、下手したら泣いちゃったかもしれないので部日誌で言うことにした次第です。

曲の話をすると、今回のレプレは演奏自体が難しいからか、いつにも増して個々人の完成度が高いように感じます。特にホルンなんて新入生だらけなのによくぞここまで、と初回から感じ入ったのを今でも覚えています。弦のトップ軍団がちょくちょくアイコンタクトでアンサンブルするのも素敵ですね。200小節目からのホルン、オーボエ、クラリネットのソロはブラボーと言う他ありません。他にも皆さんが輝いていた瞬間はたくさん覚えていますが、ここでは長くなるので打ち上げで直接言いに行きます。

僕は入部が21の代と同じタイミングだったので、気づいたら幹部になっていて、気づいたらもう幹部上です。そんな短い期間でしたが、皆さんからはたくさんの思い出を貰いました。直近のことで言えば合宿ですね。よく弾いてよく遊び、と言った感じで大変充実していましたし(合宿を復活させた渡辺に感謝!)、かぼいちで初めての誕生日会も開いてもらいました。気の置けない友達、後輩、先輩と浴びるように酒を飲んで時には言い合いになったのも大切な思い出の一つです。入部当初はこんなレベルの低い団体なんて、と思っていましたが、そういった楽しい日々を積み重ねるにつれ、どんどん離れ難くなっていってしまいました。行き詰まった時の寄る辺となるのは結局そういう、楽しかった記憶なのかもしれませんね。

先輩として後輩にメッセージをいくつか。まずは次学指揮をやる3人へ。まあ頑張れと言わなくても勝手に頑張るでしょうから、敢えて頑張りすぎるなと言っておきます。1人でヒートアップしても仕方ないですから、みんなと足並み合わせて、できない箇所は一緒に考える、でも言うべきことは言うみたいなスタンスで丁度いいのかなと思います。バイオリンパートの皆さんへ。練習していて行き詰まることは必ずあると思います。僕もイザイ練習していた時は余りにも出来なさすぎて怒ったり泣いたりしていました。そんな時こそ、基本と初心と、自分が積み重ねた時間を思い出すといいと思います。それ以外の皆さんへ。皆さんが頑張っているところは必ず誰か(特に学指揮)が見ているので大丈夫です。

結局長くなりましたが、こうやって喋り始めたらだんだんヒートアップしてくるところも僕らしくていいんじゃないかなと思います。幹部上になっても6プルくらいから皆さんのことを温か〜く見守っています。それではこの辺で。

20M Vn/学指揮(スラヴ行進曲/交響曲第6番《悲愴》(チャイコフスキー)/交響曲第1番(カリンニコフ)/交響詩《前奏曲》)
後藤 慧太郎
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これからも音楽にあふれてやまないゐのはなでありますように

ある日の電車内にて、僕は普段電車の中ではほとんど寝てる、まれにスマホを見る感じなのですが、その日はふと窓の外を眺めていました。目の前には何の変哲もない住宅街が広がっていたのですが、少し目線を上にやるとそこには巨大な積乱雲が大空に広がっていました。積乱雲と言えば夏を想起しますが、空の雰囲気はどこか違ったように感じました。ちょっと寂しげで哀愁漂うような、岩井海岸で見たすがすがしいまでの青い空とは異なるものでした。まだまだ暑い日は続いていますが、秋の訪れがすぐそこまで迫ってきているようです。

 

僕がゐのはな音楽部と初めて出会ったのも秋の香り感じられる今ぐらいの時期だったように思います。(20の代はコロナのせいでまともな新歓が始まったのが秋頃でした。)もともと僕は音楽経験なんて全くなく、クラシックとは縁遠い世界で生きてきました。ちょうど3年前に入部してからチェロに惹かれ、オーケストラに惹かれ、クラシックに惹かれ、今では音楽が生活の大部分を占めるようになってしまいました。一体誰が想像したことか、、。

 

僕はゐのはな音楽部に入部してから今までたくさんの「優しさ」に触れました。そのおかげで僕はここまでチェロやクラシックにのめり込むことができ、音楽という僕にとって全く新たな世界を知ることができました。ですが、そこに到達するまでにたくさんの壁にぶつかりました。上手な人もたくさんいるゐのはな音楽部で、初心者でへっぽこの僕が果たして頑張って練習したとしても拙い演奏で一緒に弾く意味はあるのか、特に弦楽器なんだから別に僕一人がいなくたって素敵な演奏は成立するのに、とか昔よく悩んでいました。そんな風に行き詰まったときも、僕のできないところを付きっきりで教えてくださった心優しい先輩方や飲み会とかでいろいろなアドバイスをしてくれた方々、音楽的・技術的にわかりやすくご指導いただいた指揮者の先生、トレーナーの先生方、夜遅くまで相談に乗ってくれる同期など、本当にたくさんの人に支えられて、今こうしてオーケストラの一員としてチェロを楽しく弾くことができています。昔はtuttiで満足に弾くことができない悔しさを打ち消すために練習していたのが、今ではtuttiでこう弾きたいなああ弾きたいなと想像力をかき立てながら、のびのびと練習できるようになりました。本当に感謝してもしきれません。まだまだ未熟なところもありますが、たくさんの方々からの優しさを胸にこれからも音楽と向き合っていきたいと思います。そして、今度は今まで僕が受けた様々な人たちからの優しさを、幹部上として後輩にたくさん伝えることができればなと思っています。

 

今回、メイン曲のブラ1で初めて交響曲のトップをやらせてもらっていますが、実のところ、選曲段階では正直、ブラ1はあまり乗り気ではありませんでした。当初はブラームスが20年以上も構想を練ったこともあって、曲全体がすごく構造的で息苦しく感じていました。あと、他のブラームスの交響曲と比較して、チェロがフレーズを歌う場面が少ないこともありました。ですが、今はほんっとうに幹部引退のメイン曲がブラ1で良かったと、心の底から思っています。ブラ1を、しかもトップの立場で弾けるなんてこの上ない幸せです。ブラ1のトップを経て、チェロ単体だけでなくオーケストラ全体を俯瞰したときのチェロとか好きになれました。pizzで分散和音を弾いたり、ベースラインでコントラバスと一緒になってオケ全体を支えたりするところとか弾いてて気分上がります。各パートがパズルのピースとなって、それが曲の中でハマっていく感覚は何にも代えがたい感情です。アンサンブルって楽しいですね、演奏中弦トップでいっぱい目が合って嬉しいです!!!

 

 最後に、前日リハのミーティングのときに喋っちゃったことと全く同じ内容なのですが、今回の演奏会では「愛」に溢れる演奏会にしたいですね。レプレはそこかしこに愛のテーマがちりばめられているし、ブラ1なんてクララに対する「愛」を語ったフレーズをきっかけとして、それまで強烈なストレスがかかっていた音楽から、生気と開放感に満ちた第1主題が引き出されますもの。「愛」が一つのテーマなのかなとも思います。音楽に対しての気持ちを素直に表現できるといいですね。部員一人ひとりの音楽に対しての「愛」を少しでも会場全員で共有できると嬉しいです。僕はブラ1への「愛」を共有できればなと思ってます。

 

 明日が終われば僕もついに幹部上です。今までの日常に一区切り付いてしまうことを考えると寂しいですが、幹部上になっても変わらず今まで通り音楽に接していきたいです。これからも音楽に対して真摯に向き合い、「愛」と「優しさ」に満ちたゐのはな音楽部であることを願うばかりです。今まで本当にありがとうございました。

 

 

20M 部長 Vcパート 石橋 亮太

 



追伸

 何か良い感じにまとまってしまってしまい、本文中で上手くいろいろな人に感謝を伝えられなかったので、ここに書きます。お許しを、、、。😢 今までお世話になった全ての方々に感謝の言葉を書いていると本当にとんでもない文章量になってしまうので(現時点でもとんでもない文章量ですが💦)、ここでは割愛します😢 打ち上げで直接感謝をいっぱい伝えられたら嬉しいです!!

 

 

幹部の皆さんへ

これまで約1年間、本当にありがとうございました、! 正直、部長らしい立ち回りとか、上手くできなかった気がするんですけど、一人一人の働きのおかげで特に大きな問題もなく部活を運営できたかなって思います。むしろ、音楽部をよりよい方向に持ってけたように感じます。本当に感謝してます。打ち上げでいっぱい乾杯しましょう🍺

 

チェロパートの皆さんへ

いつでもチェロパートは雰囲気良くて助かります;; 本当にみんな練習熱心で僕ももっと練習しないと!って刺激受けます。そんな居心地良いチェロパートの一員で嬉しかったです。定演終わったら楽しく鎌倉行きましょうね。あと、今回の幹部代、全員ソロ経験してすごい激アツですよね!?!?🔥 無事それぞれのソロが終わったら、皆さん足スリスリお願いします~演奏に影響しないように!

 

20M

ゐのはな音楽部でみんなと出会えて、一緒に部活できて、一緒に日常を過ごせて幸せでした。またいつかみんなで旅行に行けたら嬉しいな。

 


 

追伸2

 ここまでの文章は事前にある程度練っていた文章ですが、ここから今日の前日リハのこと書いていきたいと思います。前日リハ、激アツでしたね、、! 明日きっと素敵な演奏会ができると思うと、今からわくわくしちゃいます。ですが、こんなときこそ冷静でいたいですよね。熱くなりすぎてとっちらかった演奏に、気合いで力みすぎて音が潰れた演奏に、逆に緊張して縮こまった演奏にならないように気をつけたいものです。かく言う僕も今日は気合い入りすぎて力んでいたように思いますが、、。本番こそ今までやってきたことに忠実に、「心は熱く、頭は冷静に」演奏したいです。ホールの響きを感じて、身体は自然体に、それぞれの音楽を表現したいですね。

 

書きたいことは全部書けたように思うので、明日に備えて今日は早く寝ることとします。

また明日、元気にお会いしましょう。

おやすみなさい。

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