今のゐのはな音楽部に欲しいものの一つとして「一人一人の頑張り」が挙げられると思います。どういう頑張りかは後で説明します。
アンサンブルというものは、全体として纏まっていればいいやというものではありません。纏まっていることが大事なのではなくどうやって纏めたかが大事なのです。纏める過程では聴き合いであったり、あるいは指揮者からの指示がとかく重要視されがちですが、いざ弾く段になったときに個人レベルの「頑張り」がないとなかなか上手くいきません。
そのアンサンブルに必要な個人レベルでの「頑張り」とは、音量や技術というようなチャチなものではなく(もう少し後ろから音が聞こえてもいいかなとは思いますが)、ましてや演奏への熱意といったような精神的なものでもなく、演奏者自身が何を考え、楽譜に書いてある記号にどういう根拠を見出しているか、という理性的なものだと思います。そしてそれらを共有する(≒みんなに分かるように演奏する)巧みさこそが「アンサンブル力」なのかなと考えています。だって、書いてある通りに弾くだけだったら全員ペッパーくんでいいですもんね。それに、周りに伝わるように弾けばそんなに神経を使わずとも聴き合えるようになるし、普段から色々考えていれば指示の飲み込みも早くなるはずです。ということで、もう少しだけ楽器を持たずに楽譜と向き合う時間を長くしてみてはどうでしょう。手を動かさずに頭の中で「明日はこうしてみよう」とか「あそこはどっちで弾くのがいいのかな」とか考えるのも立派な練習です。一人一人がもう少しずつ頭を使って練習したり演奏したりすれば「合わせるのに精一杯」から脱却した、カラフルな音楽作りができるようになると思いますよ。

20M 学指揮 後藤
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