Date2023・09・14
こんばんは!20Mの髙橋です。
部日誌を書くにあたって、この1年のことを色々と思い返していました。
この1年は、たくさんの苦悩と葛藤に溢れた1年でした。学指揮やって、トロンボーン吹いて、お仕事して、先輩後輩同期とたくさん話して、たまにケンカして笑、飲み会で愚痴なのか相談なのか分からないモヤモヤを垂れ流して、たくさん泣いて、自分がどこへ向かっているのかも分からなくなって、、
いくら部日誌に文字数の制限がないとはいえ、この1年の全てを書こうとするととんでもないことになってしまいそうです。残念ながら、私は文章を短くまとめる能力があまり高くないのです……。
だから今回は、この1年で一番大変だった、学指揮について書くことにしました。そういう趣旨の部日誌だとご理解いただけると幸いです。
昨年の春、卒業間近の宇川さんが「あかりちゃんに学指揮やらせてみてもいいんじゃない?」的なことをおっしゃっていたとかいなかったとか、そんな話を20M会で聞いて舞い上がって、そこから始まった学指揮でしたが、学指揮として過ごした1年半は、正直な言葉で言うなら辛くて辛くて気が狂いそうでした。
フィンランディアとスペ奇は苦しかった記憶しかありません。フィンランディアは本当に右も左も分からず終わっていた(記憶もあまりありません笑、、)し、スペ奇はお祭りの音楽ですから、勢いに任せるようなところがあってどうもうまく掴めず、指揮にオケがついてこない感覚もあってすごく苦しみました。
村上先生に何度かレッスンして頂いて、指揮の振り方やテンポの出し方から、気持ちの持ち方やtuttiの進め方までたくさん教えていただいて、それをなんとか咀嚼して吸収して、試行錯誤しているうちにスペ奇は呆気なく終わってしまいました。
秋定のメインがブラ1に決まってすぐ、学指揮どうする?とごとけに聞きに行ったら、「俺はコンマスやるから!」と言い切られてしまい、、
いわしょうに聞きに行ったら「あかりさんがやってくださいよ~~!!Trb4楽章しかないしあかりさんがやると思ってました~~!!」とか言われ、困り果ててしまいました。
その後もいわしょうとの間に何度か押し問答があり、石橋に相談したら「メインはやめといたら?」とか言われ笑、私もそれまでの学指揮がトラウマ級に苦しかったので、いわしょうに無理矢理押し付けようかと何度も考えました。
それでも、それまで食わず嫌いしていたブラ1をその時初めてちゃんと聴いて、この曲は半年間愛せそうな気がする、とふと思い、そして何度も考えて考えて、悩みに悩んで、半年間苦しむ覚悟をして、メインの学指揮を引き受けることにしました。
指揮を振るというのは、自分のスコアの読み込み具合から、音楽性・音楽の知識、ひいては人間性まで、目の前にいる数十人へ開示する恐ろしい行為です。
私は楽器がとても上手というわけでもなく、ピアノがとても弾けるかと言われるとそうでもなく、端的に言えば中途半端な実力でした。
だから、それを悟られるのが怖かった。練習を見る立場として皆さんの前に立つ資格がないと思えば思うほど、非難されるのが怖くて、眠れなくて、無駄に頑張ってるアピールしたりとかしていました。
そしてそれに対して皆さんが優しく励ましてくださるから、そんな下らないアピールをしている自分が、姑息で汚く感じて、余計悲しくなることもありました。
こんな私が、皆さんに練習と努力を要求するだけの立場でいることも申し訳なくてたまりませんでした。
でも、そんな中でも、ブラ1は本当に美しかった。責任と不安とに押し潰されて、聴きたくもない、一生聴くもんか、と思っていても、3日も経てばブラ1は元の美しさを完全に取り戻していました。
全てが美しくて完璧で、その圧倒的な美に触れるだけで恐れ慄いてしまいます。
私がどんなに苦しくてもどんなにテストが近くても、なんとかスコアを開き続けられたのは、紛れもなくブラ1のおかげです。美しい音楽の解釈に考えを巡らせる時間が、とても幸せでした。もしブラ1でなければ、途中で逃げ出してしまっていたかもしれないとさえ思います。
それに、こんな未熟な私をたくさんの方が温かく応援して下さいました。
Tuttiの前に毎回怖い怖いと騒ぐ私をなだめて、Tuttiが終わったら頑張ったねと褒めてくれた金管部屋の皆さん。
19オケの帰りに学指揮の在り方を議論した(竹内さん、改め)OBの竹内先生笑。竹内先生の言葉は、煮詰まった私にはいつも新鮮で、会う度に頭の中が整理されていきました。
私に限界がきていた日、えいこうに行って愚痴をたくさん聞いてくださった福田さん、たんたんさん、みやおいさん。あのとき奢ってもらった青島ビール、めちゃくちゃ美味しかったです、忘れられません。
合宿最終日の学生Tuttiの前夜、飲み会から部屋に戻ってきた私を、あかりさんは大丈夫ですよとハグしてくれたなおちゃん。ほんとうに温かくて嬉しくて、あの後少しだけ泣きました。
一緒にロビコンに出てくださったトロンボーンの3人。学指揮のお仕事ばかりで「もうこれ学指揮パートじゃん…」って時、トロンボーンパートに帰れている気がしてすごく嬉しかったです。
そして、ここには書ききれない、私と関わってくださった全ての皆さん。皆さんの温かさに励まされて、何とか引退まで頑張れました。本当に感謝してもしきれません。
最後に。私は小さい頃、あまり音楽が好きではありませんでした。
音楽を本当に好きになったのは高校生くらいでしょうか。和声の移り変わりやフレーズの形を分析して、音楽の作り方の「正解」の根拠を探る、ということを覚えてから、音楽がすごく楽しくなりました。
だから、皆さんにも「根拠のある音楽」を楽しんでいただきたいな、というちいさな野心があって、学指揮になりました。
感覚や感性でフレーズを美しく演奏できる方もいる中で、根拠頼りでしか音楽を作れない私だからこそ、出来ることがあるのではないかと信じていました。
学指揮をやっている間は、なるべく楽譜上にある客観的な根拠と紐づけて話すようにしていて、このやり方が、皆さんのうちの1人でも良いから手助けになっていたらと思っていました。
秋定が終わっても、おんぶはまだまだ続いていきます。すぐ近くにはチャイ5がどっしり構えて待っていますし、その先にもたくさんの曲が私たちを待ち構えているでしょう。
そのたくさんの曲に取り組むにあたって、今回のブラ1を始めとする秋定の3曲が少しでも良い影響を与えていたら、私はこの上なく幸せです。もう悔いはなんにもありません!
20M 髙橋
スポンサーサイト
スポンサーサイト