試験が一段落したため、自分が取り組んでいる曲たちとじっくり向き合う時間が増えました。今日(12/26)の活動は眠りのtuttiだったことですし、眠りの弾き方について自分なりに考えたことを二三、書き連ねてみようと思います(バイオリンのことしか書けません、悪しからず)。

・フォルテをどう出すか
fやpが単なる音量の指示ではなく「大きい、あるいは小さいイメージで」演奏せよ、という指示であることはパート練やセク練で何回か強調しました(少なくとも僕はそう教わってきました)。「大きいイメージで弾いたら結果として音量が大きくなった」というのがフォルテが真に意味する所というわけです。「イメージ」と一口に言っても曲や楽章、さらにはフレーズごとに少しずつ違いがあります。眠りはバレエ音楽ですから、優雅でうっとりしてしまうような雰囲気が全体に流れていますよね。そこで求められる音はスラヴのような迫力ある音ではなく、混じり気のない透き通った音です。ですので、眠りでは「手の重さだけで弓を動かした時に出る自然な響き」をフォルテとしてよいのだと思います。全力を出して前のめりになって弾くのではなく、余分な力は抜いて、余裕を持って弾こう、ということです。フォルテで全力を出していたらfffやffffでガス欠を起こしてしまいますしね。アダージョのメロディーなどはフォルテの指定が付いていますが、まさに上述したような音の出し方がしっくり来るのではないかと思います。

・刻みの弾き方
眠りはゆったりとした、舞踏会のような雰囲気を出していきたい曲ですが、そこでネックになるのが「刻み」です。『序奏』(Andantinoより前)のようなキレのある曲調のものはともかくとして、『リラの精』(Andantinoより後)や『薔薇のアダージョ』のような美しく歌い上げるような曲では1フレーズの中の一音一音が長く、切れ目のないものになります。そういった曲では、刻んでいる音も伸ばした一音のように聞こえてほしいものです。でないと、刻む毎にフレーズが途切れてしまいます。ですので、なるべく多めに弓を使って音の切れ目を極力少なくするように刻むとよいのかな、と思います。

・ワルツのテンポ感
指揮者によってワルツのテンポ感は様々です。カラヤンは意外と速いですし、ヤンソンスは割とゆったりです。先日、バレエ「眠れる森の美女」を全編通して見たのですが、バレエの方の雰囲気から察するにワルツはゆったりめで演奏するのが正解なのかなという気がします。そもそも本編中でワルツが踊られているのはオーロラ姫の16歳の誕生日を祝ってのことですから、そこで踊るなら活力に溢れたワルツというよりは優雅で上品なワルツを踊りたいですよね。まさに舞踏会といった趣です。ワルツをゆったりめで弾くとなると、ただでさえ1フレーズが長いですから、相応に丁寧なボウイングが要求されて案外大変です。但し、ゆったり弾くあまりワルツの足取りが重くなる、ということは避けたいです。軽やかさは必ずしも速さを伴わないということです。バッハのソナタ2番のフーガなんかがそれに近いですかね。

眠りはあくまでバレエを踊るためのBGMですから、全体としてあまり入れ込みすぎず、さらりと弾き上げるのがよいのかなと思います。僕のようにすぐ感情的になる人間にはなかなか難しいことですが…
それでは皆さん、良いお年をお迎えください。来年も音楽に溢れた一年となりますように。

20M Vn 後藤
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